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第2回 『昼下がりの文化精神医学』「病いの経験へのいくつかの道:文化精神医学・医療人類学・民俗学が臨床する者にもたらす視点」

2017年7月22日


第2回『昼下がりの文化精神医学』では、精神科医 江口重幸先生(東京武蔵野病院副院長、教育研究部長)をお迎えして、「病いの経験へのいくつかの道:文化精神医学・医療人類学・民俗学が臨床する者にもたらす視点」と題した講演会を開催しました。
 
 江口先生は、「土着の治療者は、あつかうケースの大部分をまちがいなく癒す」一方で、「現代の専門的な臨床ケアは、たいていの場合、まちがいなく癒すことができない」という、アーサー・クライマンが『臨床人類学』において導き出した結論を、現代医療が突き当たった袋小路として捉えます。医療テクノロジーが効果的・効率的治療を目指し先端化する中で、必然的に排除してきた「病いの癒し」を、どのような方法によって臨床の場に取り込むことができるのか。日々、患者やその家族と向き合い奮闘するすべての臨床家が抱く、この切実な問いに答えるべく、江口先生は、クライマンの一連の書籍はもちろんのこと、エランベルジェの『無意識の発見』、ヤップの『比較精神医学』、中井久夫の『治療文化論』と、文化精神医学のテクストを辿り、さまざまな概念を接合し読み替えていきます。そこで特に、江口先生は中井久夫によって創出された「個人症候群」という概念に着目します。中井は、文化精神医学の世界で長らく流通していた「普遍症候群」と「文化依存症候群」という二項対立図式に、「土着的」「虫瞰図的」である「個人症候群」という第三項を差し入れ、「病い」を認識・治療するための新たな視点を導入します。江口先生は、この「個人症候群」という相(見方)こそ、臨床場面で、患者や家族の経験に入っていくための必須のツールを提供し、ひいては、現代医療の構造的アポリアを止揚する可能性の中心があると考えます。
 
 4時間近くにも及ぶ講演会でありましたが、先生のユーモアを交えた軽妙な語り口と知的興奮に満ちた講演内容は、多くの聴衆を魅了するものでありました。


第74回ISSJチャリティ映画会・バザーの協力

2017年6月5日


 
6月7日、神保町の一ツ橋会館で「第74回ISSJチャリティ映画会・バザー」が開催されました。日頃より、当NPOはISSJと難民支援等で密に連携させていただいております。当日はその感謝の意を込めてバザーのお手伝いをさせていただきました。私たちが担当したのは、様々な作業所で作られたマフィンや乾物等の食品販売でした。映画上映の前に食べたいという方やお土産に持って帰りたいという方など、多くの方々からお買い求めいただきました。数百個用意されたマフィンは、第2回目の上映が終わった時点でほぼ売れ切れてしまうほど好評でした。
 また、チャリティ上映されたブラジル映画『ストリートオーケストラ』も鑑賞しました。ブラジルが抱える社会問題を、スラム街の子供たちと音楽教師の交流を通して描いた映画で、貧困、差別、犯罪など、シリアスな現実をしっかりと見据えつつも、音楽に触れる喜びが子供たちだけでなく、教師自身の内面も変容させていく、ハートウォーミングな余韻を残す良質のヒューマンドラマでした。
 
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